東京都台東区雷門浅草のアニマルクリニック。相愛動物病院です。

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犬の子宮蓄膿症PYOMETRA

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症とは、子宮に細菌感染が起こったため、その膣内に膿汁(ウミ)が貯留した病気をいいます。本症では膿汁が多量に貯留すると、子宮は、妊娠子宮に匹敵するくらいの大きさになります。本症が発現するのは発情終了後、後2ヶ月続く黄体期(卵巣から黄体ホルモンが分泌されている期間)です。黄体期には、子宮内膜が増殖し、分泌物も多くなり、細菌の発育にとって都合のよい環境となります。また、このホルモンの影響によって、子宮頸管が機能的に閉鎖しているため、膿汁は膣の方にほとんど漏出しません。したがって膿汁は子宮腔に貯留してしまいます。本病は未経産または長期間繁殖に供用していない高齢犬に発症するのが特徴です。犬種による発症の差は認められません。子宮蓄膿症の膿汁からは種々の細菌が分類されていますが、大腸菌が最も多く検出されます。このことから肛門、外陰部、膣などに常在している大腸菌が侵入することが問題にされています。しかし、本症の発現と交配の有無との関係は認められておりません。

症状

陰門部からの膿汁の漏出
腹部の膨満
多飲・多尿
嘔吐
元気消失、食欲不振

治療

本症の治療法は、外科手術による卵巣子宮摘出が最良の方法として広く行われています。その後の繁殖を望むことはできませんが、急性例では致死的経過をたどるため、やむを得ない処置であるといえます。
内科的療法では、治癒しても再発することがあります。

飼い主の注意すべき点

子宮蓄膿症は5〜7歳以上の高齢犬(避妊手術をしていない)、未経産または長い間、繁殖に供用していない犬に発症しますが、多くは発情終了後4〜8週に認められます。
上記のような犬を飼育している飼い主は、発情終了後に、愛犬の一般状態を注意して観察し、異常に気づいたら、なるべく早く病院に連れていくことをお勧めします。

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